時計の不具合の代表的な症状


参考としての記述ですが調子が悪い場合にいくつか考えられるパターンをお書きします。


ぜんまいの巻き上げで抵抗感(ぜんまいの弾力)が感じられずするすると軽くいつまでも回ってしまう。
これはぜんまい切れの症状です。ぜんまいは長期での消耗品ですので切れたら交換で復活します。

ぜんまいを巻き上げたが動き出さない。
これは下記の「なんか動かなくなった」のほうの原因の事もありますが、実は始動性がよくないだけという場合もあります。
巻いただけでは動き出さず、振ったら動きはじめたという場合はこれです。
またデュプレックスウォッチのように構造的に自然始動しにくく最初に振ってあげたほうがいいものもあります。

リューズがかたくて引けない
これは感覚的な事なので不具合とまでは言えませんが、時計のリューズの引きのかたさには個体差と感じ方の違いがあります。
ある時計のリューズをAさんは「かたすぎて全く引けない壊れている」といい
Bさんは同じ時計を「ちょっとかたいかな」くらいの感想で普通に引いたりします。
慣れも影響するので、慣れた人の場合はかなりかたいリューズも引いてしまいます。
特に初めて懐中時計を触る人はかたく感じる傾向にあるようです。
かたい場合はそれを解消する方法もあります。

突然時計が異常に進むようになった、または到着した時計が異常に進む。
これは磁気が入った場合に結構起きる症状です。磁気が入った場合は磁気抜きで直ります。
身の回りには磁気を出すものがたくさんあるようですが、原因不明の場合も多いです。
携帯の充電器など充電器全般は結構磁気が強いようなのでそばには置かないで下さい。
あと病院に持って行った場合に磁気が入る事は多いようなので病院には持って行かないほうがいいと思います。

なんか動かなくなった。
漠然とした表現ですがいくつかの典型的な例を挙げます。

落としたりぶつけたりでなければ、油切れによって機械の動きが渋くなったり、小さなゴミを歯車が噛んだり、
あとは磁気が強く入ったりで動かなくなったりもします。機械ですから実際動かなくなる事もあります。
衝撃を与えていないのならそうそう重大な損傷は起きませんのでたいがいは分解掃除と磁気抜きで直ります。

針同士の接触(引っかかり)、針と文字盤または針と風防の接触で時計が止まるという場合もあります。
針は実際には軸にはめ込んであるので、何らかの原因でポジションやクリアランスが変わって引っかかる場合があり得ます。

あと振りきりという現象でテンプの振り石とアンクルの部分が互い違いになって噛んでしまうという場合もごく稀にあります。
頻繁に起きる場合は問題ですが、突発的に一度だけ起きるケースもなくはありません。
普通の状態よりも輸送中のほうが起きやすい印象があるので、届いた時計が動かないという場合はこの可能性もあります。


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落としてしまった場合は修復が困難な場合がありますが、自然に動かなくなった場合などは
分解掃除で直る場合が多いのでもしお困りでしたらご相談下さい。
wfw@almond.ocn.ne.jp


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